7/26 「絶対海域 第四撃!」提督赤城小説本(全年齢向け?提督LOVE?)

8/2追記:委託通販を開始しました。

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/32/84/040030328468.html

8/5追記:電子版を公開しました。通販だと懐に厳しいという方はこちらを御利用下さい。なお、書籍版をお持ちの方は何らかの方法で証明していただければ電子版を無料でお渡しいたします。

愛おしい艤装 - 午前零時の電源席@電子版販売所 - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)

 

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2015/7/26に都立産業貿易センター(台東館)で開催される「絶対海域 第四撃!」に出展します(金沢ではなく浅草の方です、お間違えないようお願いします)。

サークルスペースは6階「B-02」『午前零時の電源席』です。

絶対海域 第四撃!

 

 

■新刊情報■

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『愛おしい艤装』

分類:小説本(A5サイズ)

頁数:本文92P(85000字程度)

頒価:800円

内容:男性提督×赤城、ゲーム小説、愛の話、ミステリ、轟沈ネタあり

あらすじ:

 轟沈したはずの" あの人" の艤装が帰って来る。夜ごと、音もなく、海の底から、ちいさなかけらとなって。秘書艦赤城は青葉を探偵役として起用し、" あの人" の形見をエンデューク諸島泊地にばら撒く犯人を突き止めようとした。しかし、積み重なる証言はいずれも犯人の存在を否定するものばかりであった。
 提督は事故で記憶を失っていた。病院で目を覚ました彼は、己の正体も思い出せず、艦娘たちや深海棲艦のことも理解出来なかった。しかし見舞いに来る赤城と話す内に、彼は自分が提督として活躍していたことを知り、その使命を引き継ぐことを決意する。古巣が怪事件に見舞われているとも知らずに……。

カップリング的な分類をするのであれば、恐らく「提督赤城」「提督LOVE」といったタグの付く内容でありましょう。私はこの作品をそのタグに相応しい深い愛の話だと捉えていますが、同時に、多くの方にとっては受け入れ難い要素を含んでいるようにも思います。全体の半分近いサンプルを公開する予定ですので、ご購入を検討される場合は、事前に目を通しておくことをお勧めいたします。あのサンプルを「三」までお読みいただいて、行けると判断された方なら大丈夫だと思います。もっとも、上記のあらすじで「興奮」してしまうような方なら、そのような警告は不要でしょうが……。

前回の天津風本との関連はありませんが、設定を一部流用したこともあり、パラレルワールド的な繋がりが存在します。前作をお読みいただけた方にしか通じない話ですが、あちらを光の艦これSSとするならこちらは闇の艦これSSになる、くらいの感覚で受け止めて頂ければ幸いです。

また、分かる方には タイトルとあらすじで一発だと思いますが、この作品は艦隊これくしょんを題材としたゲーム小説であると同時に、キャロル・オコンネルの傑作長編小説『愛おしい骨』へのオマージュとして書かれたものです。詳しい話は下の「参考」をご覧下さい。

 

■本文サンプル■

全体の半分弱を公開しました。

www.pixiv.net

 

 

■参考■

20年前に失踪した弟の骨が帰って来る――2010年、久方ぶりのノンシリーズ長編として訳出された『愛おしい骨』は、アメリカの小村コヴェントリーを舞台とする長編ミステリです。ばらばらになった弟の骨、という感傷的な謎をフックにユニークな村人たちの過去と現在――人間模様を描き出し、500ページにわたって尊さを表現し続ける傑作として評価され、年末のミステリ系ランキングで最上位にランクインしました。内容については、ここで駄文を連ねても良いのですが、幸いにも版元の解説が余すところなく魅力を語り尽しておりますので、そちらをご覧になった方が良いかと思います。

さて、大系的なジャンル史を学んでいないので怪しいことしか言えないのですが(だから、ここから先は大嘘です。信じないで下さいね?)、ヒラリー・ウォーの『この町の誰かが』に端を発する「田舎の地域コミュニティで発生した殺人事件の捜査を通じてコミュニティそのものの暗部を描き出す」という手法は、やがて様々な傑作を生み出すことになります。たとえば、ミネット・ウォルターズの『蛇の形』などはその典型例と言えるでしょう。交通事故と判断された隣人の死の真相を探るため、後ろ暗いコミュニティの中で20年も捜査を続け、町中の人間に真実の鉄槌を下して回るミセス・ラニラ。「"マッド・アニー"が殺されたのは彼女が奇矯だったからか、それとも黒人だったからなのか。」から始まるこの傑作は、閉鎖的な田舎町が抱える問題を見通す慧眼と正義への執念、そしてコミュニティを舞台とする一連のミステリ群へのオマージュに満ちています。原作『The Shape of Snakes』が出版されたのは2000年、『愛おしい骨』の原著『Bone by Bone』は2008年ですから、実はオコンネルは彼女なりのアンサーを送ったのでは? という可能性も考えられなくはありません。より現実離れしたキャラクター造形とエモーショナルな文体に賭けた、芸術家の返答。なかなか楽しいとは思いませんか?

もちろん、己をそのような大家になぞらえる気はさらさらないのですが、私は『愛おしい骨』を読んだ時、いつかこのようなものを艦これの二次創作でやってみたいという思いを抱き、密かにプロットを温め続けてきました。もちろん、オマージュ元を明らかにするのは、自ら作品の豊かさを削り取るような自殺行為です。『火の鳥 復活編』を知らない人が『沙耶の唄』をやっても楽しいように、艤装も骨を知らなくとも楽しく読めてしまうでしょう。しかし、同時に挑戦状を送り付けたいという欲望に駆られるのもまた文字書きの宿命のようなものです。余裕のある方は是非『愛おしい骨』をお読み下さい。読みにくさ故の的外れな酷評も多いですが、一か月ほど、じっくり腰を据えて味読する価値のある一冊です。

ところで、『愛おしい艤装』には「車椅子」と「記憶喪失」という二つのアイテムが出て来ます。これも分かる人には分かると思いますが、クリストファー・プリーストの『魔法』という作品を意識しています。あれはGlamourの話で、こちらはどちらかといえばSyntaxの話ですが、遡ればGlamourとGrammarは兄弟のようなものでしょうし、SyntaxはGrammarの子供のようなものです。つまり、艤装は魔法のお話でもあるのです。

提督は言葉を学び、論理からは注意深く距離を置こうとしますが、残念ながらこの世界では、論理的で筋が通っているのはおおむね正しいことなのです。最後まで読み通していただけた方には、きっとご理解いただけるものと思います。

 

 

 

■その他■

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・委託について

虎さんに受け付けていただけました。

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/32/84/040030328468.html

まだ手元に九月砲雷撃戦の分がありますので、仮に何かの不具合で納品した本が全て捌けたとしても追加は可能です。焦らずお待ち下さい。

電子版は現在制作中です(epub版を作ろうかどうか……ってところで止まっています)。小説本で一冊千円越えはさすがに高いな……と思われる方もいらっしゃるでしょうし、なるべく値段は控えめにしてBOOTHに置く予定です。

自家通販はありません。御了承下さい。

都立産業貿易セしンター(台東館)立産業貿易センター(さー